PickUp 活用インタビュー

【日本ゼオン株式会社様】伴走型の技術支援サービスを活用してForguncyでエンドユーザー開発を推進

伴走型の技術支援サービスを活用して
Forguncyでエンドユーザー開発を推進

日本ゼオン株式会社の皆様
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日本ゼオン株式会社 様

主な事業内容:自動車用タイヤなどの合成ゴムや高機能樹脂の製造・開発等

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(写真左から)

■総合開発センター 機能性材料研究所

   塚田 涼太 様

■総合開発センター デジタル研究開発推進室

室長 兼 デジタル統括推進部門 デジタル戦略企画部 部長

   髙橋 和弘 様

■総合開発センター デジタル研究開発推進室

   和田 梓 様

■デジタル統括推進部門
 デジタル戦略企画部ビジネスクリエーショングループ

   細井 悠貴 様

   細井 雄太 様

今回はシステム部門(デジタル研究開発推進室・デジタル統括推進部門)と研究部門の2部門の方々からお話をお伺いしました。

【システム部門様】

 ローコード/ノーコード開発ツールの導入の背景や目的を教えてください

DX化を進める中で、エンドユーザー開発を取り入れたいと考えていました。
 エンドユーザー開発ではプロトタイプを作りながら、エンドユーザー側でしっかり要件を出しながら開発を進めていきたかったので、従来の開発手法ではなくトライアンドエラーがしやすいローコードツールを導入することにしました。

 ノーコード/ローコード開発ツールの中でなぜForguncyを導入したのですか?

 ローコードツールはForguncyも含めて6個ほどの製品が候補にあがりました。弊社に合う製品に絞り込むため、以下3つの必須要件をもとにツールの選定を行いました。

Webシステムであること」「簡単に構築できること」「外部データベースを使えること

 まず、この3つの要件で候補から絞ると、外部データベースが使えるツールがあまりなかったので、Forguncyが候補として残りました。
 さらに、ツールの使用者として想定しているエンドユーザー開発のメンバーは、Excel操作に慣れており、ForguncyのExcelライクに使えるという点が決定打となり導入を決めました。

 Forguncyの現在の活用状況と、今後の活用についての計画や展望を教えてください

 Forguncyを先行で導入した研究所の15~17研究室のうち、半分の研究室が実験計画・結果の登録システムなどでForguncyを使ったシステムを使用する想定で開発を進めています。
 また、今後は研究室の業務以外の間接業務にもForguncyを展開していきたいと思っています。現状、間接業務では小さな業務システムが点々と存在しており、一元管理できていません。例えば、研究所で何かモノを購入しようとした時に、予算申請の段階から購入後の定期点検や棚卸まで、全てのやり取りをメールとExcelで行っており、各工程の業務をバラバラにシステムで管理している状態です。そのため、今後はForguncyを活用してデータを一元管理できるようにしたいと考えています。


 また、本社では基幹システムでもForguncyが活用できないかと考えており、基幹システムの周辺システムをForguncyで作るのか、基幹システムの構築の前段階としてプロトタイプ開発で使用するのか等、今後具体的に検討していく予定です。
 さらには工場などにも対象を広げ、Forguncyを全社的な開発ツールの一つとして様々な用途で利用していく予定です。

 Forguncyの良い点と改善点を教えてください

 良い点は、まずは当社の大きな目的であった外部データベースに繋げられる点です。あとは、Excelの関数をそのまま利用できる点や、設計したものが簡単に画面に出力できるなど、機能面で便利な点が多いと感じています。
 改善点としては、Forguncyはできることが多いが故に、難しい操作をしようとすると実現方法が分からずForguncyのマニュアルサイトを確認しなければいけないという点です。また、ネットで検索してもForguncyの情報があまり出てこないので、開発元のグレープシティ社ないしコネクティル社のような導入パートナーさんから技術情報やナレッジがどんどん発信されると有難いです。

 Forguncyを活用するにあたり、工夫されたことや事前に準備されたことがあれば教えてください

 まず、エンドユーザー開発のメンバーにシステム開発に関する基礎知識が備わっていないといけません。そのため、データベースの仕組みを理解してもらうためのデータモデリング研修を行いました。その上で、自分達でデータベースを作ってもらって、データフローやシステムを使ったときの業務フローをイメージできるようにしてもらいました。
 また、ある程度自分達でもDMS(データマネジメントシステム)が構築できるように、ベンダーさんの力も借りてユーザーに寄り添ったガイドラインを作成するなど、研修用資料等も事前準備として用意していました。


 次に、エンドユーザー開発のメンバーが周囲からのサポートを得られるよう、所属しているチームのリーダーを集め、部下がやっている研修内容を共有しました。その結果、研究所全体でForguncy導入の取り組みについて理解が進み、エンドユーザー開発のメンバーも本業ではない開発業務に本腰を入れて取り組めるようになりました。


 また、開発体制をエンドユーザー開発のメンバーとシステム部門の担当者、開発ベンダーの三者で編成しました。このような開発体制にしたのは、システム部門がサポートで入るという目的以外にも、三者で意見を出し合うことでチームとして一体感も生まれ、より良いシステムが出来るのではないかと考えたからです。

 開発には外部ベンダーを活用されていますが、どのような役割を期待されているか教えてください

 エンドユーザー開発を成功させるためには、二人三脚で開発をサポートしていただきたいと思っています。
 システムを作って売り切りというベンダーさんは多いのですが、エンドユーザー開発を進めるためには、密にコミュニケーションを取りながら一緒に仕様や要件を固めていただけるような方法が失敗しない唯一の手だと思っています。
 その点でコネクティル社が謳っている「伴走型の支援サービス」はまさに当社が望む理想的なサービスでした。

【研究部門様】

 Forguncyでどんなシステムを開発されていますか?

 実験計画・結果の登録システムを開発しました。
 実験の工程は複雑で登録する項目が多岐に渡るのですが、出来るだけ多くの研究者に使用してもらえるような操作性を意識したユーザーインターフェイスにしました。

実験計画・結果登録システム①
(実験計画・結果の登録システム レシピ管理画面)
実験計画・結果登録システム②
(実験計画・結果の登録システム フロー管理画面)

 どのような体制で開発を進めていらっしゃいますか?また、開発中に苦労された点はございますか?

 エンドユーザー開発のメンバーとシステム部門の担当者、コネクティル社との三者で開発を進めています。
 事前の準備や体制面の整備もあったおかげで、開発中に大きく苦労した点は特にありません。細かい要望や修正依頼など、口頭では説明が難しい部分はExcelファイルなどに書き起こし、コネクティル社との打ち合わせの際に齟齬が生まれないように工夫はしました。

 システム関連のスキルやご経験はお持ちだったのでしょうか?また、本業の研究業務とエンドユーザー開発を推進するためのデジタル研究開発推進室への兼務は挙手制とお聞きしましたが、なぜ手を挙げられたのですか?

 元々化学を専攻していたので、システム関連の知識やスキルは全くありませんでした。
 会社でデータモデリングの研修やForguncyの基礎などは教えてもらいましたが、実務的な経験は全くなかったです。Excelも人並みに簡単な関数ができるくらいでした。


 手を挙げたきっかけは、ITスキルの習得は世の中のトレンドになっていますし、自分のできることを増やしたいと思ったからです。将来的にはBIやMIに関わることをやっていきたいという大きな目標があります。この分野で活躍するためには知識や技術の基盤が必要になりますが、今回の取り組みはその基盤づくりの良い経験になるかなと思って立候補しました。

 出来上がったシステムの使い勝手や操作性など、満足度はいかがでしょうか?

 実験では多くの工程があるのですが、マニュアルなどがなくても直感的に操作できるシステムになったと思うので、個人的には100点の出来だと思います。

 このシステムに関して、実際に利用するユーザーさんの反応はいかがでしょうか?

 まだテスト運用のため、実務での運用はこれからになりますが、社内でシステムの共有会を開いたときには良いリアクションが返ってきました。
 実運用となった際には、操作手順の部分で少し複雑な部分もあるので、そこで戸惑う人も出てくるかもしれませんが、現状のExcelよりも効率的に入力できるようになっていますので、基本的には実際に使い始めても良い反応が返ってくるのではないかと思います。