<Forguncy活用インタビュー>
内製化を目指してローコードを導入、市民開発を推進
株式会社栃木ニコン 様
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株式会社栃木ニコン 様
経営管理部 IT推進課
岡田 和也 様
主な事業内容:
光学ユニット、交換レンズ、対物レンズ、光学部品、機械部品等の製造
開発の内製化を目指されていると思いますが、なぜ内製化しようと思いましたか?
社内の基幹システム開発や規模の大きい開発はグループ会社のシステム部門に対して開発・保守・運用を外部委託する事で維持してきました。結果として内製人員は減少し、ベンダーコントロールを主体とする人員構成の組織になっていました。
しかし、基幹システム以外の小規模システムや社内の便利ツールは投資計画としては後回しになる傾向がある事、業務プロセスが固まっていないようなシステムについては外部委託の場合、部門の求めるスピード感に応えられない事が多々あり、近年内製化ニーズの高まりを感じていました。
そして、過去にASPやASP.NETで開発したアプリケーションが多数あり、WebサーバのEOLをきっかけにマイグレーションを行う必要がありましたが、 IT推進課内にはWeb開発を内製できる人員が不足している状況でした。
さらに、昨今のDX化の流れもありIT部門以外でもシステム化を希望するケースが増えてきている事を強く実感していました。
当然ながらIT部門のリソースも限られており、現場の業務を熟知した担当者が自ら業務改善ツールを作れる文化、市民開発を推進する必要があると考えました。今までも各部門でAccess等を利用した開発を行うことも多く、ファイルサーバで共有し、多人数で使うケースにおいて「データの競合エラー」等のシステム的なトラブルを抱えることもありました。上記を踏まえ、内製化を目指し始めました。
内製化を目指すうえでの課題はなんでしたか?
課題は大きく2つありました。
1つ目は内製開発人員の確保と教育についてです。
開発人員の不足を解消するべく、内製人員の増員に着手しました。
当初は経験豊富な中堅のWeb開発経験者を計画しておりましたが、弊社の立地状況もあり、都内ほど人員が容易に確保できる状況ではありませんでしたので、開発未経験でも意欲のある若手メンバーを集め、今後の開発の中心になってもらおうと考えました。
WebサーバOSのEOLを間近に迎え、開発未経験のメンバーに対してプログラム言語を含めた教育コストを潤沢にかけられない中、レガシーアプリの刷新と開発未経験者の教育を同時に進める必要がありました。
2つ目は自社に適したローコード/ノーコードツールが見つからなかったことです。
当初は MicrosoftのPowerAppsも検討していましたが以下の点により導入を断念しました。
・画面UIが分かりにくく、IT部門以外の利用を想定すると難易度が高いこと
・ドキュメントや情報が少なく、学習コストが高いこと
・データベースとの連携で有償コネクタが利用人数分必要になること
・アプリケーションの実行速度が全体的に遅く感じたこと
このような経緯もあり、自社に適したツールを探す必要があると考えました。
その課題をどう乗り越えましたか?
自社に適したツール探しで苦戦する中、見た目がExcelライクなForguncyをWebサイトでみつけました。弊社工場内では間接部門、直接部門も含めExcelは慣れ親しんだツールであるため、画面設計がExcelとほぼ同じという事もあり市民開発を推進するためのツールとして社内展開しやすいのではないかと考え、導入に至りました。
レガシーアプリの刷新と開発者教育を同時に進めるのがなかなか難しい状況でしたので、Forguncyのサイトで導入支援パートナーとしてあげられていたコネクティル社に支援をお願いしました。開発から運用、教育まで支援していただけ、必要な分だけ工数ベースで契約できる事も大きなポイントでした。
具体的な支援としては、コネクティル社にアプリケーションを複数開発していただいた後、Forguncy教育サービスのご提案をいただきました。若手メンバーが受講する事でスキルの向上にもつながると共に、市民開発の教育プランのアイデアにもつながりました。

(PC関連システムー予算入力画面)

(PC関連システムーセットアップ仕様書)
現時点で、どのような成果があがっていますか?
ローコード開発ツールの導入により、全社から自部署内の改善まで幅広い業務アプリを短期間で構築し、社内へ提供できるようになりました。
全社向けの公開機能としては、PC管理システム、社内電話帳、デバイス管理、設備端末調査票、避難人員報告、時間外利用申請などがあり、一部機能はコネクティル社に構築を依頼しました。
開発効率の面では、ASP.NETで開発していた基幹システムEUC機能37本をForguncyに移行しました。
当初10人月と見積もっていた工数を、わずか2人月へと削減し、期間も5分の1に短縮することができました。
また、既存ワークフローシステムとのデータ連携や、自部署の管理レベル向上を目的として、 入退室管理、在籍表アプリ、作業実績管理、保守システム一覧などを開発し、業務改善を進めています。
これらの取り組みを通じてForguncy開発のノウハウが着実に蓄積され、内製開発を推進できるメンバーも増えてきています。
結果として、現場ニーズに迅速に対応できるIT部門へと進化し、業務効率化・開発スピード・組織内のプレゼンス向上を同時に実現することができました。

(時間外用役施設運転申請書)
今後の内製化の展望を教えてください
今後の内製化の展望としては、大きく教育体制、インフラ環境、そして全社的な業務改善の3つの柱で取り組みを検討しています。
まず教育体制の整備です。
市民開発を推進するため、スキルに応じた教育パッケージを用意し、共通ルールや注意事項などをまとめたドキュメントを整備します。
また、開発効率の向上と機能共通化の観点から、従業員情報や取引先情報などの検索機能を開発者向けに提供する予定です。
次にインフラ環境の見直しです。
提供アプリの重要度が高まる中、本番環境をオンプレミスからAWS(EC2)へ移行し、バックアップ体制と可用性の向上を図ります。
これにより、業務への影響を最小限に抑えつつ、安全かつ安定したアプリ運用を可能にします。
最後に全社的な業務改善施策です。
ペーパーレス化の推進に合わせて電子化ツールの利用を広げ、各部署の固有データを蓄積・統合し、将来的にBI分析の基盤となるフロントアプリへと発展させます。
さらに、アプリ公開を申請制とすることで、組織横断的な共通業務の洗い出しと集約を進め、潜在的なシステム化ニーズを顕在化させていきます。
同じく内製化を目指す企業へメッセージがあればお願いします
コネクティル社のように教育から支援していただける環境があるというのは非常に心強い事です。内製化にForguncyお勧めするポイントの1つが、チュートリアルやドキュメントが充実している点です。 IT推進課内では入社1~2年目の若手メンバーがForguncyでの開発を推進してくれています。
